モラトリアム法(中小企業金融円滑化法)とは、金融機関の努力義務として「金融機関は、中小企業者又は住宅ローンの借り手から申込みがあった場合には、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置をとるよう努める」、「金融機関は、申込み又は求めがあった場合には、他の金融機関、政府関係金融機関、信用保証協会、企業再生支援機構、事業再生ADR、中小企業再生支援協議会等との連携を図りつつ、できる限り、貸付条件の変更等の適切な措置等をとるよう努める」と制定された法案です。また、貸付条件の変更等の実施状況を金融庁に報告するよう義務付けられています。
○金融機関へのリスケジュール・返済猶予が可能に!
○事業の立て直し、経営改革を行う時間をもらったと思おう!
○いくら返せばいいのかでなく、いくら払えるのかが大切!
○金融機関に経営改善計画のプレゼンが決め手!
○リースに返済猶予の要請が可能に!
○返済が滞ってもすぐ倒産するわけでは・・・?
○金融機関の格付けを知ろう!?
○交渉が進めば後は経営改革に着手するのみ!
亀井静香前金融・郵政改革担当相が訴えたモラトリアム法(中小企業金融円滑化法)が平成21年11月の
臨時国会で提出され、平成23年3月までの時限立法として施行されました。
金融機関からの借入を毎月返済している我々中小企業は、返済条件を変更、猶予することによってこの期間中に体力を蓄えることが可能です。では、誰もが返済期間・減額の条件変更を金融機関はのんでくれるのでしょうか。
リスケジュール・返済猶予
日本政府が金融機関に対してリスケジュール、返済猶予に応じるよう努力義務を促す
わけですから平成23年年3月までは、毎月の返済を減額してもらったり猶予してもらう
ことが可能になります。平成22年7月現在、この時限立法の延長も示唆されているようです。
この猶予期間に企業の事業再生、企業を再建し資金繰りを正常に戻すという環境が整えられることになります。
ただし、リスケジュール、返済猶予はあくまで一時的なものに過ぎずません。返済義務は変わらないのです。
一時的に返済が減額、猶予されることからあたかも債務が減ったような錯覚を起こしたり、問題が解決したかのように
感じる経営者もいます。今までどおりの経営を続けていたら問題は先送りされるだけです。
この猶予期間に、商品やサービスの販売向上、販路拡大などの事業計画を実行することが再生への道につながるのです。
私どもセントラル総合研究所へ相談に来る経営者の人たちに多く見られるのは、銀行、金融機関へいくら返せばいいのか という相談を多く聞きます。資金繰りに行き詰ると「借りた金を返さないと」と、どの経営者もそう思われるでしょう。 しかし、これが大きな間違いで、返済のためにビジネス ローンなど高利のところから新たに借り借入れ、返済をしている経営者の方も数多くいらっしゃいました。返済のために借入をする のではなく、売掛金の入金を早めてもらったり、業者に協力いただき支払いを延ばしたりしてもらったりと考えることが第一です。 経営困難、資金繰りの悪化などで自分を犠牲に我慢してしまうのが経営者なのです。自分の給与もとらず社員を優先、取引先(仕入先)、金 融機関への返済、これでは事業再生は成功しません。まずは経営者がきちんと給与をとり、次に社員、取引先(仕入先)へと 支払を済ませ、残った額で税金や社会保険、借入返済をしていくのです。経営者の生活が事業再生の基盤になるのです。返済に毎月 いくら払わなければならないのかでなく、これしか払えないが銀行、金融機関へのリスケジュール、返済猶予交渉のポイントなのです。
なぜリスケジュール、返済猶予が必要なのか?
今後の計画はどうなのか?売上げ目標や販売先の拡大など、具体的なプランがなけ
れば銀行、金融機関との対話さえままなりません。ましてや金融業界にとっては都合の悪い今回の
制度。きちんとした説明、計画がなければいい条件は期待できないでしょう。
経営者の「猶予をもらって経営を立て直し、事業を再生させる!」という意思を強く持つことが再生成功への道です。
私たちセントラル総合研究所は全国の金融機関、リース
会社との数千回の交渉実績を持つ、事業再生(ターンア
ラウンド)スペシャリスト集団です。当然メガバンクの
元支店長、本部勤務経験者、また大手リース会社、国税
経験者も在籍しており、交渉にとって何より経営者の味
方になり、いい条件で交渉することが可能です。交渉の
時期、口座の変更、誰と交渉すればいいのか、交渉時の
心得など、数々の経験を持ったスペシャリストたちにお
任せください。金融機関へのしっかりしたプレゼンが思わぬいい結果になることも経験して
きました。プレゼン結果で社長の生活も変わってくるのです。
また、ご相談に見える方の案件の中には、必ずしもリスケジュールが再生への有効的な手段
で無い場合もありますので、リスケジュールをお考えの方は、一度、私ども事業再生(ターン
アラウンド)スペシャリストへご相談ください。
日本経済の基盤を支える中小企業の経営安定のため、平成21年12月の金融機関へのリスケジュール(返済猶予)要請に続き、平成22年4月、経済産業省はリース業界に対しても中小企業の支払猶予や契約期間延長などの要望を柔軟かつ適正な対応をとるよう要請しました。
「経済産業省としては、昨年12月に施行された中小企業金融円滑化法の趣旨も踏まえ、同法の対象金融機関とはなっていないリース会社においても、中小企業からリースに関する支払猶予や契約期間延長等の申込みがあった場合には、柔軟かつ適切な対応を行うよう要請することとしました。具体的には、社団法人リース事業協会に対し、所属するリース会社に要請を周知徹底することを求めることとしました」(経済産業省Webより引用)
中小企業は平成21年施工されたの中小企業金融円滑化法を活用して、事業再生、会社再建が図りやすい環境となってきています。
現在、金融機関に対してリスケジュール(返済猶予)を行っている企業も、リース物件である商業設備(レジスター、冷凍・冷蔵庫、陳列棚、厨房設備等)や産業機械(工作機械、産業用ロボット、各種プレス、旋盤等)、情報関連機器(コンピューター及び端末機器、パソコン、ファクシミリ、複写機、ワープロ、電話等)をリスケジュールすることで、月々の負担の軽減が可能となります。その間に体力を養い事業再生を計ってください。
金融機関への返済が止まっても、すぐに倒産するわけではありませんし、いきなり担保を競売にかけられることもありません。
返済が止まってしまうと、金融事故扱いとなり期限の利益を喪失したことになるのです。
返済が止まることを恐れて、ついつい借りてきたお金でお金を返す、といった無理な返済を行われる方を多く見受けます。 返済ストップの期間が一時的なものか、そうでないのかにもよりますが、返済が厳しくなった時には金融機関に必ず連絡し、 状況を誠意を持って説明してください。
金融機関は、何を基準に融資をし、不良債権を処理するのでしょうか。 金融機関には企業の内申書とも呼ばれている、 企業格付けというものがあり、金融庁が定めた「金融検査マニュアル」によって、企業の格付けを行っているのです。
正常先 | 業況が良好で、財務内容にも問題がない企業が対象 業況が悪くても経営者の保証能力があり、 資産内容などに問題がなければ正常先と判断されることもある |
要注意先(※要管理先) | 金利減免を行っているなど、貸し出し条件に問題のある債務者 返済が滞納している債務者、業況が低調、または不安定な債務者など |
破たん懸念先 | 債務超過であり、今後経営破たんに陥る可能性が高い債務者 業況が低調で、借入金の返済も延滞状態である債務者 |
実質破たん先 | 多額の不良債権を抱え、再建の見通しも立たないほどの 経営難に陥っている債務者、 相当な期間にわたって債務超過に陥っている |
破たん先 | 破産、精算、民事再生、会社更生などの手続きをとり、 法的に経営破たんの事実が発生している債務者 廃業などにより、形式的に経営破たんしている債務者 |
いま、自分の状態がどこに有るのかを知ることが、再生へ向けてとても大切になります。
また、金融機関はこの格付けによって、引当金を積み立てておかなければなりません。
これらの情報を総合的に判断し、どのタイミングでどのように交渉すれば良いのか、
という考え方を持たなくては、リスケジュール交渉は不調に終わるかも知れません。
また、ノンバンクや商工ローン、リース会社などはこの限りではありません。
交渉を必要とする相手の情報を正確に知ることが、事業再生にはとても大切なことなのです。
銀行、金融機関との交渉がうまくいけば
あとは再建へ向け、計画通りに経営者自ら先頭に立ち、一生懸命行動するだけです。猶予や返済条件変更に
応じてくれたのですから何事も計画通りに行動するのみです。我々コンサルタントは再生計画、アクションプログラム実現のために
経営者をサポートして参ります。
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[2010.7.13更新]
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